那須北部 土倉山(1516m) 2015年3月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:57 除雪終点−−7:37 小玉沢−−9:17 1342m峰−−10:03 土倉山 10:25−−11:20 小玉沢−−11:25 林道−−11:54 除雪終点

場所福島県南会津郡下郷町
年月日2015年3月8日 日帰り
天候曇後雪(標高が低い場所では雨)
山行種類残雪期籔山
交通手段マイカー
駐車場除雪終点に駐車
登山道の有無無し
籔の有無残雪期はアスナロが少しある程度
危険個所の有無無し
山頂の展望南側が開ける
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コメント天気予報は思わしくなかったが花粉を避けて北へ。音金地区東端の上ノ坪集落東端の除雪終点から林道経由で小玉沢右岸尾根で山頂を往復。気温が高めで雪がスカスカでスノーシュー無しでは挫折したであろう雪質であった。林道は除雪した形跡はあるが最初から最後まで雪に埋もれていた。小玉沢は水路橋で渡ったが水量少なく渡渉も可能。小玉沢右岸尾根は全体的に適度な傾斜で歩きやすい。下部はミズナラ、コナラ中心の樹林で積雪は少なく無雪期の籔も少ない。標高が上がるとブナが増えてきてさらに登るとアスナロが目立つようになる。雪をかぶった背の低いアスナロが尾根上を覆っている場所は東側の雪庇を通過したりした。1342m峰で初めて展望が開けるがガスって山頂は見えず。山頂部は雪庇の上で南側の展望は良好。山頂標識は見当たらなかった




目的の林道の一本南の除雪終点に駐車 林道入口。予想通り除雪されていない
出だしからスノーシュー装着 雪の林道歩き
加藤谷川 水路に沿って歩く
小玉沢にかかる水路用の橋を利用 小玉沢。水量少なく橋を使わずとも渡渉可能
小玉沢右岸尾根末端。祠あり 籔はうるさくない
標高900m付近。雪も籔も少ない カモシカの足跡
927m峰付近の熊棚 熊棚のある木の熊の爪痕
標高1100m付近。アスナロが増えてくる 標高1180m付近。アスナロを避けて雪庇上を歩く
標高1230m付近。無雪期でも籔は無いようだ 標高1280m付近。ブナが目立つ
1342m峰から見た土倉山 1350m峰への登り
1350m峰 雪を被ったアスナロを避けつつ進む
1350m峰を下る 最後の登り。雪が柔らかく登りがきつい
山頂の一角に到着 西へ向かう
土倉山山頂。雪庇の上が最高点 土倉山山頂から東を見る
土倉山山頂から南側の展望。雪で霞んで那須も見えない
自分のトレースを追って下山 1350m北側の雪庇。スノーシューのまま強引に下った
スノーシューの上にカモシカの足跡 小玉沢到着
最後の林道歩きは疲れた 雨の中、車到着


 南会津に属するエリアに2つの土倉山があるが、南会津町(旧舘岩村)の土倉山は登ったが下郷の土倉山はまだだった。場所は那須連山の三倉山の北側で栃木/福島県境より少し北側である。近くの唐沢山には登山道があるが土倉山には無い。おそらく上部はそれなりの藪だろうから残雪期が有利な山に違いない。

 昨年から機会をうかがっていたが本格的な残雪期を前に勘を取り戻す意味でも適度な山だろうと出かけることにした。もちろん花粉を避ける意味もある。ただし予報によると天気が悪く、標高が高い部分は雪だと思われるが、降雪量はそれほど多くはならないだろうと予想した。

 ただし先週から風邪気味の体調が心配だ。下手をすると登山口まで行くだけで車の中で寝る羽目になる可能性もある。また、雪質も問題だ。まだ残雪期としては早い時期なので雪は締まっていないだろう。今回は北向きの尾根を登るので余計に雪の締まりがないと予想された。今の時期は南向きの尾根を登れる山の方が雪が締まっている可能性は高いのだが、土倉山はアプローチの関係で南側から登るのは困難だ。常識的に考えれば音金地区東端から加藤谷川左岸沿いの林道を歩いて小玉沢右岸尾根を往復だろう。

 白河ICを降りて下郷市街地まで下ってから東へ逆戻りするように音金地区へ。上ノ坪集落を過ぎると除雪がされていないだろうと予想していたがそのとおりであった。前半約2kmは雪が積もった林道歩きが決定。駐車場所は無いが除雪終点ならば邪魔にならないだろうとどん詰まりに車を置いた。天気はどんよりと暗く周囲の山も煙って雨が降りそうな気配だった。降るなら雨じゃなくて雪になって欲しい。体調は大丈夫そうなのでザックに防寒装備を多めに入れて出発。

 今シーズン初めてのまともな残雪の山で、今回から車には12本爪アイゼンとピッケルを積んできた。今日のコースは小玉川右岸尾根だが地形図を見る限りはそれほど急な場所は無さそうなので、6本爪の軽アイゼンにピッケル、スノーシューの装備とした。身支度をする前に邪魔なピッケルは近くの雪壁に突き刺しておいたら出発時に持つのを忘れてしまい、歩き出して1分ほどで気付いて取りに戻るという間抜けな出だしだった。これもまだ残雪期の山登りの勘が取り戻せていない証拠だろう。

 今日は気温が高めで雪はスカスカ、つぼ足では下手をすると膝までズボズボ潜るので最初からスノーシューの出番だ。効果はてきめん、踏み抜いても足首程度で収まるようになった。ただし足先に合計約2.5kgの錘を付けたのと同じなので、足取りが軽いわけではない。

 雪に埋まった林道だが除雪した形跡はあって林道がどこを通っているのか簡単に判別できた。やがて加藤谷川に向かってヘアピンカーブで下っていくが、ショートカットで植林帯を下ると等高線に沿って水路が登場、これを辿って目的の尾根を目指す。もし林道を歩いていたら加藤谷川の河原まで下って登り返さなくてはならないが、水路は河原より10〜20mくらい高い位置を保っているので労力削減になる。しかも水路は鉄製の橋で小玉沢を横断していて、これで渡渉の心配がなくなった。ただし小玉沢は水量は少なく簡単に渡渉できそうだったが。この頃から埃のような細かな雪が舞い始めた。

 橋を渡り終わったところが小玉沢右岸尾根末端で、切り立っているわけでもなくスノーシューのまま取り付くことができた。周囲は植林ではなく明るい自然林であった。尾根上は積雪は少なく数cmというところか。このままならスノーシューは不要だが、尾根の傾斜が緩んだ部分は雪が深いのでスノーシューのまま進んでいく。積雪が少なかった尾根下部のコナラ、ミズナラ樹林は無雪期でも藪が無いのは分かったが、徐々に増える積雪で地面が覆われると藪の様子も分からなくなっていった。雪面にはカモシカの足跡が続いているが、何ヶ所もで踏み抜いた深い穴があった。こちらはスノーシューで踏み抜きはほぼ無しで快適だ。

 ミズナラ、コナラ樹林ではいくつかの熊棚を目撃。帰りには林道脇でも熊棚を見かけたので生息数は多いようだ。でも今はまだ冬眠中かな。

 標高1000mを越える付近からアスナロが目立つようになるが、この辺は豪雪地帯ではないしまだ標高が低い影響か尾根を塞ぐようにびっしりと生えているわけではなく、背が高く密度は低く特に支障はない。ただし下の方にも枝葉があってそれに新雪が積もっているので体に触れると衣類が濡れてしまう。乾いていれば苦労なく通過できる程度だが、今の状態では雪をピッケルで叩き落しながら進むか、それとも迂回するかである。まだまだこの状態は続きそうなので迂回しながら登っていく。

 高度が上がると尾根東側に小規模ながら雪庇が見え始める。尾根直上は雪の付いたアスナロが多くても東側は樹林が開けた雪庇である個所は雪庇上を進む。傾斜がきつくなると雪庇が階段状になっている部分が現れだし、柔らかい新雪で足場が決まらず、ピッケルを目一杯打ち込んだり、スノーシューを蹴り込んだりとあの手この手でよじ登る。周囲は徐々にブナが目立つようになってきて東北の山に来たことを感じさせる。

 さらに高度が上がるとダケカンバが混じるようになる。1342m峰で初めて樹林が開けて山頂方向の展望が得られるが、悪天で霞んで山頂が僅かに見えるだけで那須連山は雲の中だった。山頂までまだいくつかのピークを越える必要があるが雪を被った緑色が多く、植生はアスナロが多いようだ。頭から雪を被らないようにジグザグに進むことになるかなぁ。

 次の1350m峰の登りは細い雪庇が切り立ち、左側は急斜面、右側は雪を被ったアスナロで進路は雪庇を選ぶ。つぼ足の方が楽に通過できそうだが面倒なのでスノーシューのまま突っ込む。「階段雪庇」よりは登りやすいが傾斜があるのでスノーシューをキックステップで雪面に蹴りこんで足場を確保し、ピッケルを深く刺して(雪が柔らかいので効きが悪い)支えにして登っていった。この先はこんな急な場所は無かったが雪を纏ったアスナロを迂回する場面が多かった。

 ピーク群を通過すると山頂への最後の登り。なかなかの傾斜で新雪が積もった斜面ではスノーシューでは表面の雪と一緒に滑って登り難く、これまたキックステップ気味の場面が多くなった。つぼ足ならば滑ることはないだろうが、ピッケルを雪面に刺すとどこまでも潜る状況では一歩一歩がラッセル地獄だろう。結局、最初から最後までスノーシューを装着したままだった。

 やっと山頂の一角に到着。東西に長い山頂でありぱっと見た目では最高点がどこなのか分からず、地形図を開くと西端であったので右へ。雪が乗ったアスナロを避けて尾根の北側直下を進み、適当なところで尾根に出るとすぐ西が最高地点、つまり山頂であった。

 山頂は雪庇の上で南側は2,3mの雪壁になっており、そちら方面には木が生えていないので展望がいいのだが、細かい雪が降り続いて標高が高いところは雲の中で展望はほとんど無かった。北側には背の低い木が生えているが山頂標識や目印は一切無かった。もしかしたら雪に埋もれているのか? 帰ってからネット検索を掛けてみたが、富山の土倉山はそれこそ山ほどヒットし、私も数年前に登った旧舘岩村の土倉山はノラさんの記録を含んで数件がヒットしたが、下郷の土倉山の記録は引っかからなかった。思ったよりマイナーな山だったようだ。今日は低気圧の影響で南向きの弱い風が吹いていたので北側に逃げて休憩。最近は短時間で登れる低山の梯子が多かったし、久しぶりの本格的な残雪の山だったので疲れた。

 帰りは往路を忠実に戻った。雪のある時期は往路で目印を残さなくても自分の足跡がはっきりと残るので、下りのルート判断は簡単だった。ただし短いながらも急な下りがあり、スノーシューを履いたままでは新雪もろともズルズル滑り落ちそうになることもあったが、こんな場合のためのピッケルだ。後ろ向きになってピッケルを打ち込みながら下った。ここはワカンの方が使い勝手はいいがこの雪の状態だとワカンでは潜り方が大きく、体力を今以上に使ったことだろう。

 下りの方が足にかかる衝撃が大きくなり、登りでは踏み抜かなかった場所で踏み抜くこともしばしば。特に雪の下に雪の重みで寝たアスナロ幼木が隠れていると股まで踏み抜き、足を抜くにもスノーシューがアスナロに引っかかってなかなか抜けない。こんなことが2,3回あったが、新雪が深いことはあっても体重をかけるとズボっと沈み込むことは少なく、この時期としてはマシな方だったと言えよう。

 上部では雪だったが標高が落ちると雨に変わる。雪と違って衣服を濡らすが霧雨程度なのでゴアは着ずに歩いた。

 尾根末端に到着し、水路用の橋を渡って林道へ。この林道歩きも雪質が良くないので疲れた。疲労が溜まると歩幅が狭くなるようで、平らな場所でも往路の自分の足跡に歩幅を合わせるのはつらかった。でも往路のトレースに合わせないと10cmくらいの雪の沈み込みがあるのでこれまた疲れた。

 ようやく林道終点に到着。まだ細かい雨が降り続いていた。雨と汗で濡れた衣服を着替えてさっぱりしてから帰路についた。


 今回のルートは車でのアプローチを考えると残雪期には最適だと思われるが、尾根の途中では目印は全く気付かなかった。しかし無雪期の藪の状況は不明だが残雪期は潅木は少なく危険個所も無かったので歩きやすい尾根と言えよう。今回は急斜面もスノーシューを履いたままで強引に通過したためピッケルを多用して腕が筋肉痛になったが、面倒がらずにスノーシューを脱いでつぼ足かアイゼンで通過すればピッケルの出番はなかった。天気が悪く展望が無かったのが残念だったが、久しぶりの本格的な残雪の山を堪能できた。

 

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